所長挨拶


私どもは「かかりつけ」健診機関を目指します。

 この半世紀、私たちの社会環境は驚異的な速度で変化しています。このような変革のなか、日本赤十字社熊本健康管理センターは昭和53年4月に全国の赤十字施設で唯一の健康管理事業専門施設として開設され、今日までその姿を整えて参りました。設立来、基本理念として「Health for All, All for Health.-すべてのひとに健康を、健康に全力を-」を掲げ、予防医学の実践に尽力して参りましたので、今後もこの理念を変えることなく継承し、私たちの社会的使命を果たしていくことが肝要と考えています。このため、基本方針として定めている「包括的な健康支援」、「生涯を通じた健康支援」、「受診者第一主義の健康支援」を実践し、生活者一人ひとりの健康を支援する健康サービス・医療サービスが提供出来るよう、平成22年度からTQM(Total Quality Management)活動を開始し、職員一丸となって事業を進める体制を整備致しました。
 また、平成22年度は熊本市CKD対策推進会議が開催されたこともあり、熊本市の健康課題として重要視されている慢性腎臓病(CKD)についての取り組みも行いました。CKDは生活習慣と密接に関係しているため「特定健康診査・特定保健指導」などの健診でハイリスク者を早期に介入することも大切ですが、健診をいまだに受診されていない方にもCKDを始めとしたさまざまな健康課題を知って頂く必要があると考え、“一次予防”を強化する目的で「市民公開講座」を年2回定期的に開催することに致しました。また、生活習慣病健診といえども医療ですので、臨床医療と乖離しては存在しえません。医療とのギャップを埋め、臨床と緊密に連携していくため、定期的に熊本赤十字病院ともインターフェイスミーティングを開催するようにし、医療連携を深めることで三次予防としての重症化予防にも努めることに致しました。
 一方、がん対策も国をあげて推進されております。特に40歳代からの女性に急増している乳がんに対しては“ピンクリボン運動”にも積極的に参加し、疾病に対する理解とがん検診のモデル検診を行ないました。また、乳がん同様に子宮頚がんも年々発症が若年化している状況にあり、がんの撲滅を目指した啓発活動と検診を継続して行なって参ります。PET-CT検査は平成22年度から保険適応範囲が「早期胃がんを除くすべての悪性腫瘍」に拡大されましたので、検診だけではなく、がんと診断されている方やすでにがんの治療を受け、再発や転移が疑われる方に対しても保険適用での活用が期待されるところです。
 これからも地域における予防医学の実践機関として、一層の努力をして参ります。
 何卒、宜しくお願い申し上げます。


日本赤十字社熊本健康管理センター 所長 緒方康博(おがたやすひろ)
●社団法人日本循環器学会認定循環器専門医
●日本心血管インターベンション学会認定指導医
●社団法人日本内科学会認定内科医